時はバブルが弾けて数年後。
音楽学校の生徒さんは『 お嬢様』がほとんどということを知らないのは私だけ。
そうなんです。
これは、もう私が「コンビニのお姉さん」になって、半年は経った頃の話です。
今のコンビニは色んな便利な物がありますが、当時は、特にフランチャイズでもなかった私が勤めるお店では
扱っているものはコピーと宅急便くらいでした。
それでも朝の一人での店番となると
レジを叩きながらコピー用紙を入れ替え、宅急便のサイズを計るのはお客さんが殺到した時にはシッチャカメッチャカです。
「おはようございまーす!」
「おはよー!」
「行って参りまーす!」
「行ってらっしゃーい!」
本科生は、入れ替わり立ち代わり今日も元気です!!
そこへ
「…これお願いします!」
一人の生徒が差し出したのは、
なんと、
『 現金書留』の封筒
でした~~~!!!
ああ…コ、コンビニからは現金書留は送れないのよ…。
そう話すとその生徒ちゃんはビックリ。
「どうしよう…」
と、言うのも音楽学校に登校するのは9時より前、下校時にはとっくに郵便局は閉まっています。
「現金書留は取り扱っていません。」
そう言えば終わりなのは普通のコンビニ。
でも、私はその頃にはすでに
いつも音楽学校生の味方、無敵の『 コンビニのお姉さん』なのです!!
「い…行ってこようか?お金後でいいよ。」
はい。
郵便局へ走りましたとも(笑)。
店が終わってから。
今となれば音楽学校に入学するのには、レッスンレッスン、入学しても授業にレッスンなのはわかりますが
当時の私には
『 お嬢様すごい!!!現金書留知らない!!!』
とたまげた出来事でした。
有名音楽家の娘さんだった彼女、元気かなぁ。
よくよく考えるとお金の入った大事な封筒…。お姉さんを信用して預けてくれたんだよね。
ありがとう(;_;)。
今のすみれ寮